8月は「道路ふれあい月間」なのです。ご存知だったでしょうか。そこで今回は長崎歴史文化協会の皆様からの依頼をうけ、道路について一言もうしあげることに致しました。
 「みち」といっても私達は道路、小径、街道、散歩道、山みち、けもの道、寄り道、道くさ等と色々と浮かんできますね。そして、いろんな場面を想像することができます。
 
 先ず道の歴史から考えてみようと思います。
 我が国で最初に人工的に道が造られたのは6世紀の中頃、549年だと言われています。以来、奈良・平安時代から江戸時代に至るまで全国的に道路網の整備が進められてきましたが、その道は全て人や馬を中心の道づくりだったのです。
 現在のような自動車が通れるような道路がつくられたのは明治に入ってからなのです。明治9年に国道・県道・里道が定められ、初めて国道の路線として44路線が公表されるなど道路に関する制度がつくられました。
 
 明治36年、東京に初めて自動車が走るようになってから道路の舗装が始まり、大正8年には道路に関する道路法やその施行令が出されて道路の基準が制定されました。そこで東京や大阪などの大都市を中心にアスファルト舗装による道づくりが始まりました。
 その後、昭和27年には現在の道路法が定められ、高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道という道路の種類、路線の指定方法、整備や管理の方法、道路の利用に関して守らねばならぬ事や手続きなどがきめられました。
 
 昭和29年、第1次道路整備5ヶ年計画がスタートして本格的に整備が進むようになりました。
 また平成5年から、駐車場やトイレ、交通情報センター、物産館などを備えた休憩施設と言われます「道の駅」が設置されるようになりました。
 駅と言うと普通は鉄道の駅を思いうかべますが、駅という言葉の始まりは古く、およそ1300年前の飛鳥時代にさかのぼります。それは大和朝廷が定めた「律令制」によりますと、原則として30里(16km)ごとに宿泊・休けい・馬の乗りつぎが出来る「駅」がつくられる事になっていました。
 九州では10世紀初めに、太宰府を中心に90余の駅が設置されたと記してあります。現在「道の駅」 は全国で650駅が登録されており、九州・沖縄では66駅あります。

○道の役割
 道は私達の暮らしの中で、食料品・日用品などを始め色々の物を運んだり、通勤・通学・レジャーの ための交通を確保する空間として、電気や電話、ガス、下水道などの施設を収容する空間です。そして 亦、緑ゆたかな都市を創造する空間として、地上・地下を問わず、重要な役割を果たしています。

 この意味で道路は、人間社会の生命線とも言うべき大切な施設と考えられています。これを人間の体として考えれば、さしずめ血管と言えるのではないでしょうか。
 
 その道路の中枢である動脈や静脈が高速道路や国道・県道で、細部にわたり小まめに網羅されているのが市町村道と考えています。血液の流れに異常なことが生ずれば、人体に色々な障害が出るように、道路も血液にあたる交通の流れがつまれば、我が国の経済や、私達の暮らしにとって大きな影響をもたらすことは明らかだと考えられます。 そのようにならない為に私たち道路管理者は、道路を常に快適な良い状態に保ち、交通がスムーズに流れるように努力いたしておりますが、道路を利用する皆さんのご協力とご理解をいただくことが必要だと考えております。

○道とのふれあい
 次に、道路を利用される皆さんに改めて道路とのふれあい、道路の役割と其の重要性を再認識いただき、更に「道路をいつくしむ」という道路愛護思想の普及および道路の正しい利用の啓発を図り、道路を常に美しく、安全に利用する気運を高める目的で、8月を「道路ふれあい月間」、8月10日を「道の日」と制定し、長崎県下で次のような行事を実施しますので、ご参加下さい。



○長崎街道バス・ツアー(長崎歴史文化協会主催)8月7日午前8時30分長崎市民会館横出発−嬉野まで。
 参加希望者は電話821−1540・長崎歴文協・本村まで。参加費3,500円。(昼食・入浴は嬉野神 仙閣)
○広報キャンペーン
1.8月10日(土)長崎浜町アーケードと佐世保島瀬公園。パネル展示、アンケート・参加者に記念品贈呈
2.8月3日大村駅前で同上キャンペーン…長崎、佐世保同様
3.8月10日 諫早市アエル本町通りポケット・パーク…エフエム諫早公開生放送
4.「道の日」探検隊バスツアー(小学5・6年生)、長崎市主催(8月11日・40名)、佐世保市主催(8月7日・30名)、諫早市主催(8月25日・小学4・5・6年生80名)、大村市主催(8月11日・小学生80名)
九州でも1,2を争う昼間交通量の長崎駅前。交通渋滞緩和のために作られた歩道橋は今や待ち合わせスポットや観光スポットとして、長崎の顔の役目も果たしている。